ディスプレイ広告の媒体比較|広告代理店が確認したい選定基準

ディスプレイ広告の媒体比較|広告代理店が確認したい選定基準

「広告主から、GDN・YDA以外の媒体も比較してほしいと言われた」

「CPCや配信面の違いを、どう整理して提案すればいいのか分からない」

「単価の低い媒体を勧めたいが、配信品質の説明に自信がない」

ディスプレイ広告の媒体は、広告ネットワーク、DSP、SNS広告、媒体社の予約型広告など、仕組みも提供のされ方もさまざまです。広告主から「ほかの媒体も比べて提案してほしい」と言われても、何を軸に比べればよいのか迷う場面は少なくありません。

この記事では、媒体をランキングするのではなく、広告代理店が広告主へ提案するときに使える比較軸を整理します。配信面、ターゲティング、費用指標、配信品質の確認方法、複数媒体を併用する考え方まで、順に見ていきます。

結論:媒体選定は「優劣」ではなく「目的との相性」で比べる

ディスプレイ広告の媒体に、すべての広告主に共通する「最適な1つ」はありません。広告主の目的、ターゲット、予算、計測環境によって、相性のよい媒体が変わるためです。提案では、次の3点を押さえると整理しやすくなります。

  • 比較軸を先に決める:配信面、ターゲティング、費用指標、配信品質、計測、運用条件などの軸で、媒体を同じ物差しで並べます。
  • 目的から逆算する:認知の拡大か、サイト訪問の母数か、獲得かによって、重視する軸が変わります。
  • 1つの媒体で完結させない:既存媒体との役割分担と、小さく試して評価する手順をあわせて提案します。

ディスプレイ広告の主な媒体区分

ディスプレイ広告の媒体は、配信の仕組みと提供のされ方から、おおまかに次の4つに分けて考えられます。区分の境界は厳密ではなく、1つのサービスが複数の性格を持つこともあります。

ディスプレイ広告の主な媒体区分(広告ネットワーク型・DSP型・SNS広告・予約型)
区分 概要 比較するときの視点
広告ネットワーク型 Google広告のディスプレイ ネットワーク(GDN)や、LINEヤフー広告の「ディスプレイ広告(運用型)」(一般にYDAと呼ばれてきたサービス)のように、プラットフォーム事業者が自社の媒体と提携サイト・アプリをまとめて提供する形 リーチの広さ、管理画面での運用のしやすさ、配信面の指定・除外の可否
DSP型 複数の広告枠の供給元(SSPなど)を横断して、広告が表示される機会ごとの入札で在庫を買い付けるプラットフォーム 接続している在庫の範囲、ターゲティング、配信面の確認方法、課金形態
SNS広告 各SNSのプラットフォーム内に表示される広告。ディスプレイ広告とは別のカテゴリで扱われることも多い 利用できるユーザーデータ、フォーマット、アカウント運用との連動
予約型(純広告) 特定の媒体の広告枠を、期間や枠を指定して購入する形 掲載面の把握しやすさ、固定費の考え方、効果測定の方法

GDN・YDAのような広告ネットワークと、DSPは、二者択一の関係ではありません。DSPは広告枠を買い付ける仕組み、広告ネットワークは提供形態を指す側面が強く、同じ事業者が両方を提供している場合もあります。DSPの基本は、DSP広告とは?仕組み・メリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説で解説しています。

媒体比較で確認したい7つの軸

媒体を並べるときは、次の7つの軸で同じ質問を投げると比較しやすくなります。広告主への説明資料にも、そのまま使えます。

媒体比較で確認したい7つの軸(配信面・ターゲティング・費用指標・配信品質・計測・運用体制・クリエイティブ)
確認する軸 確認する内容 主な確認先
1. 配信面・広告在庫 どのサイト・アプリ・サービスに配信されるか、在庫の量と偏り 媒体資料、担当者
2. ターゲティング 使える条件(エリア、年齢、性別、興味関心など)と、データの出どころ 管理画面、媒体資料
3. 課金方式・費用指標 CPC・CPMなど、何に対して費用が発生するか。最低出稿条件の有無 見積もり、契約条件
4. 配信品質・透明性 配信面の指定・除外、ホワイトリスト、掲載先の開示範囲、無効なトラフィックへの対応 担当者への確認
5. 計測・レポート 配信面別・クリエイティブ別のレポート、タグ・計測の対応 レポートのサンプル
6. 運用体制・サポート 自社運用か媒体側のサポートか。入稿から審査までの流れ 担当者
7. クリエイティブ要件 対応サイズ・形式、審査基準 掲載ガイドライン

配信面・広告在庫の違い

在庫が広いほど到達できるユーザーは増えますが、配信面の質や、広告主のブランドとの相性は一様ではありません。次の点を確認します。

  • 自社媒体と提携媒体の比率、掲載ジャンルの偏り(ニュース、ゲーム、ブログなど)
  • アプリ面への配信の有無
  • 掲載先を指定・除外できるか

たとえばGDNは、Googleの公式ヘルプで、ウェブサイトやアプリ、YouTubeやGmailなどのGoogleのサービスに掲載できると説明されています。LINEヤフー広告のディスプレイ広告(運用型)は、Yahoo! JAPANのサービス面や提携サイト、LINEアプリなどに配信でき、運用型では掲載場所の指定もできると案内されています。最新の仕様は、各公式情報でご確認ください。

費用指標の考え方(CPC・CPM・CPA)

CPCは1クリックあたり、CPMは1,000回表示あたり、CPAは成果1件あたりの費用です。媒体によって、何を基準に費用が発生するかが異なります。

  • CPC:サイト訪問を増やしたいときの比較に使いやすい一方、クリックの質は別に確認する必要があります。
  • CPM:認知の広がりを比べるときに使います。クリックやコンバージョンとの関係は別に見ます。
  • CPA:最終的な効率を見る指標ですが、計測環境や評価期間に左右されます。

単価の低さだけで媒体を選ぶと、サイト訪問後の行動が弱く、結果的にCPAが高くなることもあります。CPCとCPAの関係は、CPCとCPAの違い|店舗集客ではどちらを重視すべき?も参考にしてください。

ターゲティングの違い

ターゲティングは、「人」を基準にする方法(年齢、性別、興味関心、エリアなど)と、「掲載面」を基準にする方法(サイトのジャンルや掲載先の指定)に分けて確認します。広告ネットワークは両方を組み合わせやすく、DSPは主に人を基準にするとされる解説もありますが、実際の設定項目はサービスごとに異なります。使える条件と、データの出どころを事前に確認しましょう。

条件を細かくしすぎると、配信量が不足することがあります。ターゲティングの基本は、Web広告のターゲティングとは?エリア・興味関心で届ける方法で整理しています。

配信品質と透明性の確認方法

代理店にとって、配信先を広告主へ説明できるかどうかは重要です。確認したい点は次のとおりです。

  • 掲載先(ドメイン・アプリ)の一覧や、配信面別のレポートを確認できるか
  • 配信したい媒体を指定する「ホワイトリスト配信」や、不要な面を外す除外設定ができるか
  • 無効なトラフィックや、不適切な掲載面への対応方針
  • 第三者の計測・検証ツール(アドベリフィケーション)を導入できるか

ホワイトリスト配信の考え方は、広告のホワイトリスト配信とは?掲載先を管理するメリットで解説しています。

広告主の課題別 媒体選定の考え方

同じ媒体でも、広告主の課題によって役割は変わります。提案の出発点として、課題別の考え方を表にまとめます。一般的な整理であり、個別の条件によって変わります。

広告主の課題 検討したい媒体の方向性 確認したいポイント
すでに検索している層からの獲得を伸ばしたい 検索広告、リターゲティング配信 既存媒体で配信量が上限に近づいていないか
新しい潜在層との接点を広げたい 広告ネットワーク型、DSP型のディスプレイ広告、SNS広告 在庫の広さ、ターゲティング、配信面
サイト訪問の母数を、低単価で増やしたい CPCの低い配信サービスを含めて比較 クリック後の行動(滞在、遷移、CV)
店舗の商圏にいる人へ届けたい エリアターゲティングに対応した媒体 配信エリアの精度、配信量
掲載先を管理したい(ブランドへの影響を避けたい) 配信面の指定・ホワイトリストに対応した媒体 指定できる範囲、レポートの粒度

複数媒体を併用するときの考え方

複数の媒体を使う場合は、媒体ごとに役割を決めておくと、評価がぶれません。

複数媒体の役割分担と見る指標(検索広告・ディスプレイ広告・SNS広告)

役割を分けてから、予算を配分する

  • 検索広告:すでに探している層の獲得
  • 広告ネットワーク・DSP:潜在層への接点づくりと、サイト訪問の拡大
  • SNS広告:興味喚起や、フォロワーとの接点づくり
  • 各媒体に、見る指標を割り当てる(認知はリーチやCPM、サイト訪問はCPCやセッション、獲得はCVやCPA)

予算配分の考え方は、Web広告の予算配分はどう決める?認知と獲得の考え方で解説しています。

小さく試して、評価する

  1. 比較する条件(期間、ターゲット、クリエイティブ、遷移先)をそろえる
  2. 小さな予算で、一定期間配信する
  3. 配信面別のレポートで、成果のない面がないか確認する
  4. 流入後の行動(滞在、遷移、CV)まで評価する
  5. 継続・拡大・停止の基準を、配信前に決めておく

媒体ごとに計測の仕組みが違うため、同じ指標でも数字の意味が異なる場合があります。評価基準は、配信前に広告主と合意しておくと安心です。

Bubble-Adsを検討する場合

ここまでの比較軸で見たとき、既存の媒体に加える配信先の候補として、Bubble-Adsを検討できる場面があります。

Bubble-Adsは、ディスプレイ広告によるサイト誘導や、潜在層との接点づくりを目的とした広告配信サービスです。エリアターゲティング、年齢・性別・興味関心によるターゲティングに対応し、配信したい媒体を指定するホワイトリスト配信もできます。5,000媒体以上、月間800億imp以上の配信面があり、平均CPCは5〜9円が目安です。

検索広告やSNS広告など、既存の媒体を補完する位置づけで、サイト訪問の母数を増やしたい広告主への提案に向いています。ただし、クリック単価の低さだけでは成果は判断できません。7つの軸で確認したうえで、小さくテストし、流入後の行動まで評価することをおすすめします。配信条件や在庫は案件によって異なるため、詳細は個別にご確認ください。

まとめ

ディスプレイ広告の媒体選定は、優劣をつける作業ではなく、広告主の目的と媒体の特性を合わせる作業です。

  • 媒体は、広告ネットワーク型・DSP型・SNS広告・予約型に分けて考える
  • 配信面、ターゲティング、費用指標、配信品質、計測、運用体制、クリエイティブ要件の7つの軸で比べる
  • 広告主の課題から逆算し、媒体ごとの役割を決める
  • 複数媒体は、小さく試し、流入後の行動まで評価する

まずは、広告主の既存媒体について、7つの軸で現状を書き出すところから始めてみてください。

ディスプレイ広告の追加配信先をご検討の広告代理店様へ

新しい広告配信媒体の追加や、既存施策を補完するディスプレイ広告をご検討の広告代理店様は、Bubble-Adsまでお気軽にご相談ください。広告主様の目的や配信条件に合わせた活用方法をご案内します。